こんにちは、guriです。
実は約70%の人が命の危険が迫った時に、治療方法を自分で決めたり望みを伝えることが出来なくなるそう。
そうなると家族や近しい人々は悩み戸惑いながら決めていくしかありません。本人はどうしたいのだろうか、これで良かったのだろうかと、残された家族の心には苦しい思いが残ることも多いと聞きます。
そんな時に役立つのが「リビングウィル」。現在、厚生労働省も推進中の看取りを考える取り組みです。
今回はリビングウィルの目的と、実際の進め方をお伝えいたします。
リビングウィルの目的
リビングウィルは「自身の希望を尊重した最期を迎えるための本人の意思表示」です。自分の人生は最期まで自分らしく生きたい、そう願う人が多くなったことで段々と広まってきました。
冒頭でも述べましたが、急な事故や怪我 あるいは病状の悪化など、命の瀬戸際となった時には本人との意思疎通は大変難しくなります。そもそもそんな場面では本人の判断能力はほとんど無いと言っていいでしょう。
そんな場面で、もし事前にリビングウィルが示されているならば?
リビングウィルがあることで、周囲は安心して本人の意思を尊重した最期の準備を進めることができるのです。
リビングウィルで決める3つのこと
実際のリビングウィルでは主に3つの事を決めておくと良いとされています。
リビングウィルで決める3つのこと
- 最期の時に大切にしたいこと
- 最期の時を過ごしたい場所
- 最期の治療をどうするか
以下では、この3つの事柄について詳しく見ていくことにしましょう。
1.自分が大切にしたいこと
残された命の時間が僅かになった時、大切にしたいことはなんでしょうか?それは、生き方や価値観によって一人ひとり違うものになるはずです。
- できる限り自立した生活をすること
- 大切な人との時間を十分に持つこと
- 食事や排泄が自力でできること
- 静かな環境で過ごすこと
- 回復の可能性があるならばあらゆる措置を受けたい
- 弱った姿を見られたくない
個々で違うのはもちろんですが、実際には同じ人物でも年齢や環境が変われば希望も変わってくると聞いたことがあります。
一度決めたからと言って固執する必要はありません。機会を作って都度見直して、その時の自分に寄り添ったものに更新していきましょう。
2.最期の時を過ごす場所
最期に過ごすことになる場所としては、以下のものが考えられます。
- 自宅
- 病院
- 介護施設
- その他
最期の時をどこで過ごしたいかも重要なことです。終の棲家の自宅がいいのか、お世話になった介護施設がいいのか。設備が整った病院には大きな安心があります。
しかしながら、これは本人の意思だけでは叶えることが出来ない問題です。それでも可能な条件が揃えば、希望に沿うことが出来るかもしれません。まずは本人の気持ちを提示することが大事です。
3.最期の治療方法の希望
最期のときにどのような治療・ケアを望むか、または受けたくない事はなにか?できるだけ明確に決めておくことが望まれます。
治療したいこと
・経鼻チューブ栄養
・中心静脈栄養
・胃ろう
・点滴による水分補給
・口から入るものを食べる分だけ食べさせてもらう
・痛みを和らげる
回復不能な場合して欲しくないこと
・心肺蘇生
・人工呼吸器
・気管切開
・人工透析
・酸素吸入
・輸血
・昇圧剤や強心剤
・抗生物質
・抗がん剤
・点滴
すぐには決められない場合も多い内容です。その場合は「したくないこと」を挙げていく方法が有効です。
リビングウィル会議で共有しよう

リビングウィルは高齢者だけが対象ではありません。本来は生きているすべての人が年齢関係なく考えるべき問題なのではないでしょうか。
せっかくリビングウィルを作成しても周知しなければ意味がありません。一刻を争うような場面でも役立てられるようにしておくことが大事です。
そこでおすすめな方法は「リビングウィルを聞く集まり」を開くことです。「人生会議」と呼ばれることもあります。
これは親・子・兄弟など親族が集まった時がベスト。お盆やお正月なんかいいですね。
みんなで集まった際におじいちゃんおばあちゃんの思い出話を聞き、もしもの時のことを聞いて皆で共有するのはいかがでしょうか。
最期まで自分らしく生ききる。そのためにもリビングウィルの取り組みををぜひ役立てていただければと思います。